こんにちは。管理人のキノです。
【Review】では、最近読んでおもしろかった作品をご紹介しています。
今回ご紹介するのは、小説「不思議カフェ NEKOMIMI」(村山早紀著)です。
この本はささやかな幸せに溢れており、少しの寂しさとほっこりした温かい気持ちを味わうことのできる物語です。
あらすじ
あなたの、ささやかな生には意味がある。
引用元:小学館「不思議カフェ NEKOMIMI」
毎日こつこつと働き、余暇には本を読み、紅茶を淹れて音楽を聴く。つつましく生きてきた律子に人生の終盤、ある奇跡が訪れる。
<彼女は善い魔法使いとなり、出会ったひとびとを救い、幸福にするための力を手に入れるのですが、それは世界の片隅で起きるひそかな物語、ほんとうに小さな魔法です。地球を救ったり、闇の力と戦ったり、そういう壮大な物語ではありません。時の狭間の中で忘れられてゆくような、忘れられてきたような、小さな祈りや命をひとつひとつ大切にすくい上げてゆく、そんな物語です>――著者あとがきより
人ならぬ身となり、黒猫メロディとともに空飛ぶ車に乗った律子は、旅先でいろんなひとや妖怪と出会ったり、時にはカフェを開いてお客様に料理やお茶をふるまったり…。2017年本屋大賞ノミネート作品『桜風堂ものがたり』や2018年同賞ノミネート作品『百貨の魔法』、そして「コンビニたそがれ堂」シリーズなど、ファンタジー小説の名手が贈る、ささやかな、小さな魔法の物語。
感想
ただただ優しい物語でした。まさに『大人のためのおとぎ話』。読んでいると、絵本を読んだ時のような優しい気持ちになりました。少し悲しくて、長閑で、でも穏やか。
それは多分、律子が少女のように純粋で、いい人だからなのでしょう。
(50代にして善い魔法使いになれちゃうような人なので。笑)
疲れた時は丁寧にミルクティーを入れる。
お気に入りの道具を大事に使う。
周りの人とのささやかなやり取りを楽しむ。
大好きな音楽を聴いて、気分を上げる。
そういう自分にとって幸せを感じられることを、大切にしている律子の感性がすごく素敵でした。
でも、魔法使いになった後、律子は思います。
ちょっとオシャレをしてホテルでコーヒーを飲んだり、普段行かない場所のカフェに行ったりしてみればよかったと。
自分には似合わないなんて思わずに、少し冒険してみればよかったと。
小さな幸せを大事にする生き方がしたい。
でも、だからといって単調な日々を過ごしたいわけじゃない。
はたして自分は、やりたいと思っていることを先延ばしにせず、挑戦しているだろうか?
そう問いかけられました。
日常を大事にすること、でも日常から少しはみ出して冒険をしてみること。
律子はその両方を、魔法使いになって手に入れたのでしょう。
読了後の気持ちがあまりに好ましくて、続きが読みたいと思わされました。
忙しくて心に余裕がなくなったり、毎日が単調に感じられた時にまた読み返したいです。
『死ぬまでに読み返したい本10選』に入るほどお気に入りの作品になりました。
感想メーター
おすすめ度&おすすめしたい人
猫と丁寧な暮らしが好きな人は気に入ること間違いなし!
ゆっくり大事に読み進めたくなる作品です。
おすすめ度 ★★★★★ |
- 優しい気持ちになりたい人
- 大人のおとぎ話を読みたい人
- 小さな幸せを見つけたい人
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まとめ
「不思議カフェ NEKOMIMI」は、50代の女性が魔法使いになり、旅先で色々な人や人ならざる者の出会いを描いた物語です。カフェを開いて料理やお茶をふるまい、ささやかな幸せを届ける魔法をかけます。
優しい気持ちになりたい人、小さな幸せを感じたい人におすすめの作品です。絵本を読んだ時のようなほっこりした気持ちになりたい方は、ぜひ丁寧に入れたミルクティーを片手に読んでみてください。