はじめまして。BiblioCinema管理人のキノです。
今回は自己紹介をかねて、出会えてよかった小説を3冊ご紹介します。
この3冊に出会えてなかったら、きっと人生が違うものになっていただろうと思うほど、
私にとって大切な3冊です。
「竜馬がゆく」司馬遼太郎
基本情報
タイトル | 竜馬がゆく 一 |
著者 | 司馬 遼太郎 |
出版社 | 文藝春秋 |
ページ数 | 448ページ |
発売日 | 1998年9月10日 |
あらすじ
「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」と、勝海舟はいった。坂本竜馬は幕末維新史上の奇蹟といわれる。かれは土佐の郷士の次男坊にすぎず、しかも浪人の身でありながらこの大動乱期に卓抜した仕事をなしえた。竜馬の劇的な生涯を中心に、同じ時代をひたむきに生きた若者たちを描く長篇小説。
引用元:「BOOK」データベース
この本を選んだ理由
「竜馬がゆく」は、言わずと知れた坂本竜馬の生涯を描いた小説です。
私が「竜馬がゆく」を初めて読んだのは、大学生の時。
『自分は何者なのか』『何をして生きていきたいのか』などを悩んでいた頃です。
(きっと10代後半から20代前半って、そういうことを悩む時期なんでしょうね)
坂本竜馬についてあまり詳しくない人は『薩長同盟の人』『幕末の偉人』というイメージを持たれていると思います。
竜馬が生涯で成したことは偉大だけれど、「竜馬がゆく」で描かれている竜馬は、彼は決して完璧な人ではありません。
幼少期は愚鈍とされ、成長してから燻っていた時期もあるし、人生で何を成すべきか分からず悩んでいたこともありました。
海援隊を作ったり、薩長同盟を結ぶ仲介をしたりと後世に残る偉業を成したのは実は晩年です。
「竜馬がゆく」の中にはぐっと心に刺さる言葉がいくつもあります。
「わしは船がすきだから好きなものをみにゆくのに命を賭けてもよい」(1巻)
「まだ自分が、わかりません」「しかし、まあ夢中で日をすごしておれば、いつかはわかるときが来るじゃろ、と自分では思うちょります」(2巻)
「えらくはならん。しかし百年後に、竜馬という男はこういう仕事をした、と想いだしてくれる人がいるだろう。そんな男になる」(2巻)
引用元:「竜馬がゆく」司馬遼太郎
悩んでいた当時はこれらの言葉がすごく心に響いて、少しずつ少しずつ、生きていくための道しるべをもらったような気持ちになりました。
登場人物は多いし、幕末の出来事に詳しくなかったので何度もページを行ったり来たりしました。でも、読んでいくうちに当時の状況がだんだん分かるようになり、明治から昭和にかけての日本人の精神性が理解できるようになりました。
そのことは、戦前・戦中の日本を理解するのにも大変役立ちました。
若い時に読んでてよかったと心から思う1冊です。
おすすめ度&おすすめしたい人
おすすめ度 ★★★★★ |
- 10代、20代の若者
- やりたいことが分からなくて悩んでる人
- 自分には出来ないと諦めている人
関連作品情報
【文庫】
「竜馬がゆく」の文庫は文藝春秋より全8巻が販売されています。
【コミック】
「竜馬がゆく」は文藝春秋で漫画化され、2024年4月2日現在7巻まで販売されています。
「図書館戦争」有川浩
基本情報
タイトル | 図書館戦争 図書館戦争シリーズ |
著者 | 有川 浩 |
出版社 | KADOKAWA |
あらすじ
2019年(正化31年)。
引用元:図書館戦争 KADOKAWA総合サイト
公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。
高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。
名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが……!?
様々な困難と出来事、そして、本を狩る組織・メディア良化委員会にひたむきに立ち向かう、郁を始めとする図書隊の面々。
そう、すべては本と自由を守るため……。
この本を選んだ理由
「図書館戦争」は、メディア表現の取り締まりを行う良化特務機関と検閲に対抗する図書隊が抗争を繰り広げる世界が舞台です。
日本国内で合法的にドンパチやりあっていて『なんじゃそりゃ!』というフィクションの世界なのに、『良化都区部機関 VS 図書隊』という設定以外はリアルです。
もし日本で『メディア良化法』が成立していたら、こんな世界ありえたんじゃ…と思ってしまうくらい。
物語は、主人公の笠原郁が高校生の時に助けてもらった図書隊員を追いかけて図書隊に入隊したところから始まります。
この郁ちゃん、すごく真っすぐでパワフルで、いい子です。
でも、ガサツだし、鈍いし、甘いところもあります。
現実に打ちのめされたり、できない自分を情けなく思ったり…。失敗もたくさんします。
でも、必ず前を向いて、自分らしさを失うことなく乗り越えていく。
私は新社会人になった頃、この本を何度も読みました。
何もできない自分に失望したり、失敗から逃げ出したくなったりした時、
この本を読むと『まだ精一杯頑張ってなかったな』とか
『文句を言ったり逃げたりする前に、やるべきことをちゃんとやろう』と思えました。
…と真面目に書いてきましたが、この本は単純に面白いです。
友情あり、恋愛あり、戦闘シーンありのラブコメです。
ほっこり、ドキドキ、キュンキュン、ハラハラが1冊で楽しめます。
登場人物たちの掛け合いも面白いし、全員が全員、魅力的。
元気がない時は手に取りたくなる1冊です。
おすすめ度&おすすめしたい人
おすすめ度 ★★★★★ |
- 失敗して落ち込んでいる人
- 前向きになりたい人
- ラブコメが好きな人
関連作品情報
【文庫】
「図書館戦争」シリーズは、本編4冊、別冊2冊が販売されています。
図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1)
図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2)
図書館危機 図書館戦争シリーズ (3)
図書館革命 図書館戦争シリーズ (4)
別冊図書館戦争 1―図書館戦争シリーズ(5)
別冊図書館戦争 2―図書館戦争シリーズ(6)
【コミック】
「図書館戦争」シリーズは漫画化されており、本編15巻、別冊編10巻、番外編1巻が販売されています。
図書館戦争 LOVE&WAR コミック 1-15巻
図書館戦争 LOVE&WAR 別冊編 コミック 1-10巻
図書館戦争 LOVE&WAR 番外編
「大きな森の小さな家」ローラ・インガルス・ワイルダー
基本情報
タイトル | 大きな森の小さな家 インガルス一家の物語1 |
著者 | ローラ・インガルス・ワイルダー |
訳者 | 恩地 三保子 |
出版社 | 福音館書店 |
あらすじ
1870年代、北アメリカがまだ開かれていなかった頃、大森林と大草原での厳しい開拓生活の中で成長していった、少女ローラとその家族の物語。自然の脅威にいつもおびやかされながら、ローラ達一家は自分たちの手で丸太を組み家を建て、パンやバターやチーズを作り、生活を築きあげていきます。ローラが5歳から6歳までの1年間の大きな森での生活が、何もかもが初めてで好奇心いっぱいのローラの目を通して、生き生きと語られます。
引用元:福音館書店「大きな森の小さな家」
この本を選んだ理由
19世紀後半のアメリカはウィスコンシン州の大きな森の小さな家に住むローラの暮らしを描いた作品です。
私が初めて読んだのは小学生の時で、初めて完読した長編シリーズでした。
日本の地方都市に住んでいた私にとって、19世紀のアメリカの暮らしは何もかもが新鮮!
この料理ってどんな味?これってどういう洋服?
安息日って何?冬を越すのってこんなに準備が必要なの?
…と色々と想像を膨らませたものです。
想像する楽しさを、私はこの本に教えてもらいました。
森の暮らしは大変なこともたくさんあるけど、家族がとても温かい。
みんなで一緒に料理をしたり、夜はとうさんがバイオリンを弾いてくれたり、たまに森を出て町に買い物に行くのが楽しみでしかたなかったり。
子供ながらに、読んでいて幸せな気分になっていたのを覚えています。
児童文学ですが、大人も楽しめる作品です。
おすすめ度&おすすめしたい人
おすすめ度 ★★★★★ |
- ほっこりした気分になりたい人
- 温かな家族愛を感じたい人
- 「赤毛のアン」の雰囲気が好きな人
関連作品情報
「大きな森の小さな家」を始めとしたインガルス一家の物語は、全5冊が販売されています。
「大きな森の小さな家」
「大草原の小さな家」
「プラム・クリークの土手で」
「シルバー・レイクの岸辺で」
「農場の少年」
【名刺代わりの3選シリーズ】
自己紹介代わりに【名刺代わりの3選】シリーズを各カテゴリーに投稿しています。
よろしければ、そちらもぜひご覧ください。
【Books】
【Videos】